ドバイ首長国
ドバイ市内を走るメトロ
ドバイの高層ビル群とブルジュ・アル・アラブ
アブダビ首長国とシャルジャ首長国の間に位置するドバイ首長国は、70kmの海岸線をもち、65kmまで内陸に広がり、その面積は3,885km2で、その国土の大半は砂漠です。
また、海岸線には天然の運河・良港を有しており、100年程前から湾岸の商業の中心地として栄えてきました。
歴史的には、1833年までアブダビに組み込まれていましたが、この年、アブダビに定住していたバニー・ヤース族の一部、オベイド・ビン・サイードとマクトゥーム・ビン・ブッティーに率いられた800人がアブダビからドバイに移住、ここに一つの独立国としてドバイを建国しました。
19世紀末までは、ドバイ港は湾岸の多くの小さな貿易港の一つにすぎませんでしたが、今世紀の初めシェイク・マクトゥーム・ビン・ハシェルによって、その商業的可能性が追及されました。その時、主なライバル港となったのは、160km北の、ホルムズ海峡の対岸イラン側に位置するリンゲ港でしたが、そこで活動していた商人たちは、税金も少なく、より自由な雰囲気のドバイにその活動の拠点を移すようになりました。
1920年代に、日本の真珠産業の発展で湾岸の真珠採取業が壊滅した時、ドバイは既に商業の中心としての地位を築き上げていたため、経済的には大きな打撃を受けずにすみました。
また、1960年代の石油発見は、貿易活動と工業をより発展させるための収入源として大きく寄与しました。今や、ドバイの経済は多様化し、古くからアラビア湾を縦横に往き来していたダウ船の姿に、古えの雰囲気を漂わせつつも、中東地域における近代的な商業の中心地として君臨しています。
ドバイ首長国の経済の3つの大きな柱は、貿易、観光、金融業務です。
特に観光分野では、近年、欧米諸国や日本からの観光客、また旧ソ連および近隣諸国からの買物ツアー客等の来訪者を目当てに、ホテルの整備や航空路線の拡充が図られてきました。これら海外からの来訪者の受入拠点となるドバイ空港は、湾岸諸国間は勿論、アジア、欧米及びアフリカ諸国を結ぶ航空便の湾岸最大の中継地を誇っています。また、観光化の象徴として、2010年にオープンした世界一高いビルのブルジュ・カリーファ、1988年に建設されたエミレーツ・ゴルフ・クラブ(ヨーロッパツアー「デザート・クラシック」定期開催地)をはじめとする砂漠の中にある多くの緑芝のゴルフ場、ドバイの街から西へ車で約30分の所に位置するジュメイラビーチには豪華リゾートホテルや各種マリンスポーツ施設が整備され、観光スポットとして世界中の注目を集めるようになりました。
2021年10月-2022年3月には、中東・アフリカ地域初の万博、2020年ドバイ国際博覧会が開催され、新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの、2,400万人余りが来場する一大イベントを成功させました。
ドバイ首長国基礎データ
人口 | 約355万人(2022年末、ドバイ統計センター) |
面積 | 3,885km2 |
首長 | シェイク・ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム |
ドバイ政府行政機構